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2015.03.30 Monday

反竜伝記 完結編 第二部 第45話 決戦前夜

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    完結まであと少し……
     
    反竜伝記 完結編 第二部 第45話 決戦前夜

    「ようこそおいでになりました。天空の勇者とご一同の皆様」
    先ほど案内された、城の一角にある、円卓の大広間で待っていると、老齢の天空人がやってきた。
    「あなたは、ギド大神官様」
    そう、そこにいたのは、かつて天上界でロムを助けた大神官だった。
    「天空城にいらっしゃったのですね」
    「うむ。マスタードラゴン様は未だに行方不明じゃが……」
    やはり、天空城が浮上してもマスタードラゴンは姿を現さなかったらしい。
    地上と天空を統べる竜の神、だが、彼は未だに行方不明のままだった。
    「まさか、すでに光の教団に……」
    「滅多なことを申すな!」
    よからぬ考えを口にしたヘンリーを、ブライは叱咤した。
    「しかし妙なのじゃ。本来この城は、マスタードラゴン様のご意思がなければ本来の力は発揮できないはず。それこそ、ただ浮かぶだけが精一杯のはずなのに……」
    「それより、ギド殿にお尋ね申す。この天空城で、セントべレス山に直接乗り込むことは可能か?」
     ブライのその一言に、誰もがハッとした。
     「……可能じゃ。ま、まさかお主、この天空城を揚陸艇代わりに使おうというのではあるまいな?」
    「その、まさかじゃよ」
    「なんということじゃ……」
     ため息まじりに、ギドは首を左右に振った。
    「マスタードラゴンがおるのなら、その背中に乗せてもらうこともできたのじゃが」
    「な、なんという、罰当たりなっ!」
    さすがのギド大神官も顔を真っ赤にした。
    「冗談じゃよ。じゃが、他に方法はない以上、天空城にやってもらうしかない」
    「う、うむむ……」
    ギド大神官は唸ったが、
    「仕方、ないのぅ。世界の平和のためじゃ」
    とうとう首を縦に振った。振らざるを得なかった。
    「な、なんだか凄いことになってきたな」
    エリオスがロムにささやく。
    「伝説の天空城にいるだけでも信じられないというのに、この城を使って敵地に乗り込もうとは」
    「うん、でも」
    ロムには気がかりなことがあった。
    「光の教団はまだかなりの戦力を有している。抵抗されると厄介だぞ」
    「それだけじゃないわ」
    アイメルが言った。
    「神殿には、雷神の杖とよばれる大きな魔道具が設置されているの」
    「なんだい、それ?」
    「アイメディスの時に得た知識なんだけど、その杖から放たれる雷は、凄まじい威力を持っているわ。直撃を受けたら、さすがの天空城もただではすまないかも」
    「……策はある」
    ブライは言った。
    「ご老人、策、とは?」
    リュカが訊ねる。
    「簡単なことじゃよ。グランバニア軍、ラインハット軍、エンドール軍、テルパドール軍が四方からセントベレス山を取り囲み、陽動をかけるのじゃ。魔物達は分散してそれらに向かう

    じゃろう。その隙を見計らって天空城で突っ込むのじゃ」
    「ふむ、しかし、敵が上手く策に乗るでしょうか?」
    と、リュカが言う。
    「乗る、というか、策に乗らざるをえんだろう。窮地に陥っているのは、我々よりむしろ向こう側なのじゃからな。天空城が浮上した今、やつらの力は著しく低下しておる。下手に籠城

    して、戦力を温存する余裕はあちらさんにはないはずじゃ」
    「なるほど。仰るとおりです。しかし、雷神の杖はどうします?」
    「ギド大神官。天空城には敵の侵入や攻撃を防ぐ結界があったはずじゃのう。その結界は、雷神の杖の雷に耐えられるかね?」
    「うぅむ、雷神の杖……か。一撃で島一つを吹き飛ばす威力があると聞くが、それが本当だとすると……」
    しばしギド大神官は考え込んだ。
    「どうかね」
    「一発だけなら、あるいは」
    「決まったな。問題は、討伐隊のメンバーの人選だが、もちろん、ロムには参加してもらうとして……」
    「当然、私も参加させて貰えるのでしょうね。ブライ殿」
    そう言ったのは、他でもないリュカだった。
    「グランバニアの国王殿か。ふぅむ」
    ブライは、リュカの身体を隅々まで見た。
    「聞くところによると、お主はライアンが開祖の魔人一刀流の使い手だそうじゃが……やめておいた方がよい。聞いた話によると、お主はもう満足に剣も振れぬ身体とか。言いにくいが

    、そんなお主が今更行ったところで、足手まといにしかならぬのではないかね?」
    「これでも、ですか」
    リュカは腰に帯剣した剣に手を掛けると、それを一気に引き抜いた。全身の闘気を剣の切っ先に集中し、振り下ろすと同時にそれを一気に開放した。
    狙いをつけられた大理石の柱が、まるで豆腐のように真っ二つに引き裂かれた。
    ……魔人一刀流最終奥義、光波刃。
    闘気を刃に変えて、全てのものを切り裂く、魔人一刀流の秘奥義を、リュカはいとも簡単に繰り出したのだ。
    「……ほう」
    「どうですかね? ブライ殿」
    剣を鞘に収めて、リュカは訊ねた。
    「……そなたにはグランバニア軍を統率してほしかったのだが」
    「それはピエールやコウガに任せるさ」
    「なるほど、確かに、技のキレは未だに健在のようじゃな。だが、それでも強敵と長時間果たし合うだけの体力が、お前さんにはあるかね?」
    冷静に、そして的確に、ブライはその点を指摘した。
    「……私はかつて神殿にいたことがある。奴隷としてだがね。思い出したくもない過去だが、神殿の構造は今も頭に入っている。戦力としてではなく、道先案内人として同行させるとい

    うのはどうだろうか」
    「うぅむ、じゃが」
    「頼む!」
    リュカは円卓を力強く叩いた。
    「ここで行かなければ、私がいかなければ、死んでいった父や母に顔向けできない」
    リュカの脳裏には、死んだ父と、助けられなかった母の無念の顔がちらついて離れなかった。
    両親の無念を晴らすのはロムではない。これは、私の使命なのだ、と。
    その真剣なまなざしに、ブライは折れた。
    「やれやれ、わかった。確かに、内部構造に熟知した者がいると心強いしな」
    ブライは肩をすくめつつ苦笑して彼の同行を許可した。
    「感謝します。ブライ殿」
    リュカは深々と頭を下げる。
    「あなたがいくというのであれば、私もご一緒させていただきますわ」
    フローラも当然名乗りを上げた。
    「やれやれ、これはリュカ一家のピクニックだったのかぁ」
    と、ヘンリーは冗談めいたことを口にする。
    「そういうことなら、わたしも」
    「フィアはだめだ」
    そう言ったのは、他でもないロムだった。
    「だ、だめって、お兄ちゃん。足手まといにはならないわ。こう見えても、わたしも勇者の力を」
    「そうじゃない。お前は次期グランバニアの女王となる身だろう。もしものことがあったらどうするんだ」
    「それをいったら、お父様だって国王じゃない」
    びくっと、横でリュカが肩を竦める。そんな様子を傍目で見ながらも、ロムは曲げずに突っぱねた。
    「だだをこねるな、これは兄としての命令だ」
    「もういいよ! お兄ちゃんの馬鹿!」
    いつになく厳しく突き放した言い方をするロムに、とうとうフィアは感情を爆発させてしまった。
    急に立ち上がって、逃げるように立ち去る。その後ろ姿を、ロムは複雑な表情で見つめるも、決して後は追わなかった。
    「ロム、ちょっと言い方が厳しくない? フィアだって、あなたの力になりたくて」
    「いや、あれでいいのさ、アイメル」
    そういったのは、リュカだった。
    「アイメルが勇者として覚醒したことは私も知った。ならば、万が一のために、あくまでも万が一だが、フィアには保険になってもらわねば困る。我々が失敗した時のための、な」
    「……そう、ですね」
    そう、最悪の可能性も考慮しなければならないのだ。
    「しかし、正直痛いのではないか? フィアは確かに戦力になる逸材だ」
    反感を買うのを承知の上で、エリオスは言った。
    「彼女を除いて、魔族と戦えるだけの力の持ち主が他にいるのか?」
    「それは……」
    ロムは口を噤んだ。確かにその通りだった。かつてのリュカの仲間モンスター達を集結させるという考えも一瞬だけ過ぎったが、彼らにはすでにそれぞれの生活があるし、それに、魔

    族に対抗するだけの力を持っているとは言いがたい。
    「仕方が無い。グランバニア軍の指揮はコウガ一人に一任して貰って、ピエールを……」
    「その必要はない」
    その声はどこからともなく聞こえてきた。
    はっとして辺りを見回すと、いつの間にそこにいたのか、一人の魔人の姿があった。
    褐色の肌をした、長身の偉丈夫。額にある第三の目が印象的なその魔人は、ライオネックと呼ばれる魔界出身の種族だった。そして、ロムのもっとも知る者の一人……
    「ライオス!」
    ロムは真っ先にその名を呼んで、彼の元へ駆けつけた。
    そう、彼の名はライオス。元光の教団の魔族であり、教団を裏切ってリュカの同志となった人物であり、またロムの師匠でもあった。
    「あれから姿が見えないと思ったら、どこにいってたのさ」
    「密かに光の教団の内情を探っていたのさ。メッキーと共にな」
    「そういうこった」
    ライオスの背後から現れたのは、これまたリュカの仲間であり、キメラのメッキーだった。
    「よぉロム、久しぶり。逞しくなったなぁ、見違えたぜ」
    「メッキーこそ、よく無事で」
    「光の教団はだいぶ弱体化したとはいえ、かなりの戦力を持っていることがわかった。特に、イブールの配下である四魔将は手強いぜ」
    「四魔将?」
    「あぁ、イブールが魔界各地から集めた精鋭だ。ヘルバトラー、グレイトドラゴン、キラーマシン、アークデーモン……この四匹の実力は、イブールに勝るとも劣らないと聞く」
    「なかなか、一筋縄ではいきそうにないな」
    リュカはそういって、苦虫を噛みしめたような表情をした。
    「ロム。今回の戦いでは、私もお前と共に戦おう」
    「え?」
    「何を驚く。そのために、駆けつけたのだぞ」
    ライオスはロムの肩に手を置き、口元をわずかに緩めて笑った。
    「あ、ありがとう。すごいや、ライオスがいれば、百人力だよ」
    「ちぇ、父親としては、ちょっと妬けるなぁ。だが、頼りにしているぜ。ライオス」
    「あぁ」
    リュカとライオスは固い握手を交わした。
    「そうとなったら忙しくなるぞ!」
    ヘンリーがばんと卓を叩いて立ち上がった。
    「リュカ、俺は一足早く地上に戻って、ピエールや他の奴らと共に明日の準備を済ませておく。お前達は明日までに身体を休めておいてくれ」
    「手伝いなら、私も」
    リュカが立ち上がりかけたが、ヘンリーはそれを制した。
    「せっかく今日一日フリーになったんだぞ。今まで奥さんや子供達に父親らしいことをしてこなかったんだ、いいからお前は家族サービスでもしていろ。これは親分からの命令だ」
    そういって、ヘンリーは少年のような笑みを浮かべた。








    その後、ロム達は一度下界へと戻った。
    作戦開始は明朝七時に決定。それまでは各自自由に過ごすこととなった。




















    その後、久しぶりにロム、フィア、リュカ、フローラの四人はルーラを使ってサラボナに帰ってきた。
    ロムとリュカにとっては数ヶ月ぶりだったが、フローラとフィアはおよそ十年ぶりの里帰りとなった。
    「おっ、懐かしいなぁ、我が家だ」
    リュカは湖畔の上に立つルドマン家の別荘を指さして言った。
    そこはロムが小さい頃のままの姿を保っていた。庭園には様々な花や果実が実っているし、屋敷の外壁にはツタ一つ生えていない。ルドマンの庭師やメイドが常日頃手入れをしてくれ

    ていたのだろう。
    「父さん、どうしてグランバニアじゃなくて、サラボナに?」
    不思議に思って、ロムが訊ねた。
    「そうだなぁ、サンチョやオジロンさんには悪いが、私にとっての第二の故郷はやっぱりここなんだな。何せここは、お前達が産まれて、八年間を過ごした場所だからな」
    そういって、リュカはロムの髪をくしゃくしゃとなで回した。
    「背、大きくなったな。この分じゃ、来年には抜かれそうだな」
    「……そう、だね」
    ロムはどう答えて良いかわからず、曖昧に答えた。
    その少し後ろを、フローラとフィアが歩いていた。
    「本当に久しぶりね。フィア」
    「……うん」
    フィアの表情は暗い。まだ、あのことを根に持っているのだろう。
    「ねぇ、フィア」
    「わかってるわ、母さん。兄さんの気持ちも、父さんの考えも」
    そう、頭ではわかっている。しかし、決して納得はできなかった。
    「……ごめんなさい、私、悪い子ね。みんなを困らせてばっかり」
    「フィア」
    フローラは首を横に振って、彼女の肩にそっと手を置いた。
    「みんな、ちゃんと帰ってくるわ。約束する。だから、あなたは安心して私達の帰りを待っていて。もう、決してあなたをひとりぼっちにはさせないわ」
    「母さん。うん、約束よ」
    ようやく、フィアはぎこちないが笑みを取り戻した。少しだが、心のわだかまりが解けた気がした。



    その後、ロム達は祖父ルドマンも交えて、親子水入らずの一時を過ごした。
    フローラと祖母の手作りの料理に舌を鳴らし、食後は彼らが離ればなれになっていた時の思い出を語り合い、空白の時間を埋めるように努めた。
    それは、戦いに明け暮れていた彼らにとって、久々の安らぎと暖かい家庭に満ちた一時だった。


    「ふぅ」
    一人になったロムは、久しぶりに帰ってきた二階の自室のベッドに座り込んだ。
    顔が赤く火照っている。慣れない酒を飲んだせいだろうか。
    窓を開けると、涼しい秋の風が頬を撫でた。
    すでに、夜も更け、空には大きな満月が夜空を照らしている。
    「……!」
    その時、ロムはわずかに目眩を覚えた。
    くらっとする感覚、それは、酔いから来るものではなかった。
    定まらぬ視界で自分の手を見る。うっすらと透けているように見えたが、それは一瞬だった。
    ごしごしと目をこする。
    ……大丈夫だ、透けていない。今のところは、まだ。
    ロムは自分の身体がそう長いこと保たないことを知っていた。
    天界で不死鳥に自分の身体を焼き払い、勇者の力を使って精神を実体化させた……それが今のロムだった。そうしなければ、とっくの昔に自分が大きすぎる勇者の力に身体が耐えきれ

    ずに自滅していただろう。
    そのことを後悔してはいない。
    たとえ、残された時間があとわずかしかないとしても。
    「明日、明日さえ保ってくれれば、それでいいんだ」
    そのためにも、明日、全てに決着を付ける気でいた。
    イブールのことも、そして、ゲマ、アイメディスのことも。
    その時、トントン、とドアをノックする音が聞こえた。
    「アイメルかい? 空いてるよ」
    ロムは迷うことなくその名を告げた。
    「どうして、わかったの?」
    驚いた顔をして、予想通りの人物がドアを空けた。
    「なんとなくね、気配で」
    「さすがね」
    「それよりもどうしたんだい? 君も山奥の村に帰っていたはずじゃ」
    「うん、会ってきたわ。アリエルや母さんに。というか、下に来ていたりして」
    「なるほど」
    通りで、先ほどから一階が賑やかなわけだ。
    「ロムは、もう寝るところ?」
    「今日は、正直眠れそうにないな」
    ロムは肩をすくめて答えた。
    「……隣、いい?」
    「え? あ、あぁ、どうぞ」
    ロムはベッドの端に移動して彼女に場所を譲った。アイメルは優雅な動作で彼の横にふわっと座る。
    いい香りがして、彼はちょっとドギマギした。
    何を話せばいいのかな、と必死に会話を模索していた時、先に彼女が口を開いた。
    「明日は、私もいくわ」
    「え?」
    ロムは一瞬惚けた顔をしたが、すぐに彼女が言おうとしていることに気がついた。
    「今日は、それを伝えに来たの。アイメディスのこともあるし、それに、あなたの背中を守る役目は、誰にも渡したくないの」
    「そ、そう。わかった。君の意見を、尊重するよ」
    「……もうっ!」
    突然、アイメルは声を上げた。
    「ロム、あなたって、時々ものすごく鈍いわね」
    「えっ?」
    「……私の気持ち、知ってるくせに」
    そこまで言われて気づかないほど、ロムは鈍感ではなかった。
    あのときの、アイメディスの告白が脳裏を過ぎる。
    「ま、もっとも私は、すでに振られたんですけどね。あの時に」
    「えっ、いや、あの時は、君はアイメディスだったし、その」
    珍しくロムはしどろもどろになって答えた。気が動転して、うまく言葉にできない。
    そんな彼を見て、アイメルはくすくすと微笑んだ。
    「ロム、改めて言うわ」
    アイメルは彼の瞳をしっかりと見据えて言った。
    「私、あなたのことが好きよ。フェズリィ……リュカさんが、フローラさんを好きなのと、同じくらい、あなたが好き」
    「アイメル……」
    ロムは唇を噛んだ。
    「困った顔、してるね」
    「……ごめん。アイメル、君のことは、決して嫌いじゃない。けど」
    それが、ロムの正直な気持ちだった。彼は困ったように髪を掻きむしった。
    「いいのよ、ロム。それで」
    アイメルは少しも気落ちした様子は見せずに微笑んだ。
    「急にごめんなさい。困らせてしまって。けど、どうしても伝えておきたかったの。あなたには、あなたのことを第一に考えている女の子がいるってことを」
    「……」
    「ロム、明日、絶対に生きて帰るのよ。差し違えても、なんて、考えちゃダメ」
    「けど、アイメルは知っているんだろう。僕の身体は、もう」
    ロムはそう言いかけたが、アイメルが彼の手にそっと自分の手を重ねて、その先を止めた。
    「生きて、帰るのよ。そうしたら、あなたの身体を元通りにする方法を一緒に探しましょう」
    「え?」
    その言葉に、ロムは驚いた。
    「そんなの、あるのかな」
    「あるわよ、きっと。世界は広いのよ。リュカ……フェズリィさんだって、あんな身体だったのに、今はすっかり元通りじゃない。きっと、見つかるわ。だから、明日は生きて帰るのよ


    「アイメル……」
    正直、そんな都合のいい方法があるとは思えなかった。
    だが、ロムの胸に、何か暖かい光がともったのは確かだった。
    さっきまでは、全ての決着がつけばそれでいいという心境だったのに、今は、その先の未来に想いを馳せようとしている自分がいる。
    「約束はできないけど、努力してみるよ」
    「約束してもらわないと困るわ」
    そういって、彼女は強引にロムの手を取ると、彼の小指と自分の小指を組ませた。
    にこっと、アイメルは微笑む。
    ロムはばつが悪そうに首筋を掻きながら、やがてこくりと頷いた。




    ……そして、夜が明けた。




    続く






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