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2017.01.24 Tuesday

正竜伝記 序章

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    唐突ですが主フロ小説の新連載を開始しました。

    こちらの小説は反竜伝記と比べてオリジナル要素や展開は少なめ。

    ちなみにDS版準拠なので、あの黒髪の姉貴とかも出てくる予定です。

     

    では、よろしくお願いします。

     

     


     窓辺から差し込む光で、彼はすでに夜が明けたことを知った。
    (……結局、一睡も出来なかった)
     まだ、迷いがあるのだろうか。
     青年は結局一度も横にならなかったベッドから起き上がると、部屋に備え付けてある壁掛けの鏡に己を写した。
     そこにいたのは、歴戦をくぐり抜けてきた一人の戦士だった。収まりの悪い黒髪を乱暴に一本に束ね、その黒曜石の目は別に睨んでもいないのに鋭く険しい。所々に今でも残る傷跡は、奴隷時代のものが半分、もう半分がその後の険しい戦いでついたものだ。
     その肉体は鋼のように硬い筋肉で武装され、無駄な贅肉など少しも見当たらない。
     この無骨な若者が、これから結婚して嫁を貰う?
     自分で考えてみても、腑に落ちないと思った。
     だってそうだろう。
     自分は今まで、何のために生きてきたのだ。
     考えるまでもない。自分から父と母を奪った奴らに復讐するためだ。
     目をつむると今でも鮮明に思い出せる。目の前で殺された父の最後を。
     父は死ぬ寸前に明かした。母がまだ生きていることを。母を救い出せるのは、伝説の勇者と呼ばれる存在に他ならない。

     勇者を探せ……!

     その遺言ともとれる言葉に従い、彼は勇者を探して世界中を駆け巡った。
     だが、成果はなかった。
     伝説の勇者……数百年の昔、世界を地獄のどん底に陥れ、全てを破壊しようとした闇の王の野望を食い止めた英雄だ。この世界に住む者ならば、誰もが知っている伝説である。
     もちろん、勇者本人はすでに生きてはいないだろう。だが、その子孫ならいるはず。
     伝説の勇者を見つけて、彼と共に悲願を達成する。それを叶える時が来るまで、彼、トーラは誓った。俺は鬼にも悪魔にもなる、と。
    (……よし)
     トーラは決意も新たに道具袋を背負うと、一晩を過ごした部屋を後にした。
    (天空の盾。それが俺にはどうしても必要なんだ……!)


     その後、彼は一人の少女を娶る。
     ゆったりとした流れるような蒼い髪が特徴の貴婦人を。
     再会した幼なじみではなく、これまで戦いなど無縁だった彼女を選ぶ。
     そこには、一切の情や愛などという感情は存在しなかった。
     そう、このときは、まだ。
     

     

     

     続く

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